順位はつけません。順不同の5枚ってことで。
■amazarashi『世界収束二一一六』
いつの間にかアニソンタイアップをもらえるようになっていたけど、絶対にFLOWやアジカンのポジションにはなれそうにないことでおなじみのamazarashiさん。個人的には「2010年代に蘇った男性版中島みゆき」だと思ってるんだけど一度も同意をもらえたことはない。あと中島みゆきはまだ現役。
初期に比べると詞や音は洗練されつつ、彼らしさは残っているいい進化を遂げていると思う。上手いとか下手とかではなく、聞くものの心になんとも言えない不安感を与える、不安定なあのヴォーカルこそが秋田ひろむの持ち味。これがある限りamazarashiはamazarashiでいられる。
■ストレイテナー『COLD DISC』
Twitterで感想書いたんだけど、この140文字にだいたい言いたいことが詰まっていた。なのでコピペで済ます。
ストレイテナーの『COLD DISC』はただただ耳に優しくて、風邪をひいたときのお粥のようにスッと体内に入ってきて、なんか気付かぬうちに再生している。間違いなく今年一番聴いてる
— 登別 (@noboribetsu) 2016年11月10日
■Cocco『アダンバレエ』
Coccoは90年代のイメージがあまりにも強烈すぎて、いまだにそれを引きずっている人も少なくない。実際、某サイトのレビューでは「あの頃の狂いっぷりが良かったのにCoccoも普通になっちゃったね」とか頓珍漢なことを書いている輩がいるが、20年間ずっとあの作風を続けてたら、とっくにどこかでカート・コバーンしてるっつーの。人は歳を重ねることで変わるものなのだ。
絵本を書いたりくるりと遊んだり親になったり、色々あって迎えた2016年。これは紛れもなくあのCoccoのアルバムであり、とんでもなく美しい1枚だ。常人とはかけ離れてた感受性を、尖った歌詞とパフォーマンスに頼ることなく表現できるようになったのが今のCoccoなのだ。
■吉澤嘉代子『吉澤嘉代子とうつくしい人たち』
その名の通り、サンボマスターとか私立恵比寿中学とか岡崎体育とか、どういう基準で選んだのかよくわからない「うつくしい人たち」とコラボした企画盤。
なので作風は一曲ごとにてんでバラバラなのだが、通しで聴いてみるとなんとなくまとまりがあるように感じられるのは、ボーカリストとしての個性と表現力が伴ったことの証明ではなかろうか。女性シンガー不作と言われる昨今、彼女には期待しています(謎の上から目線)。
どうでもいいけどこの人、Google検索すると候補に真っ先に上がってくるのが「吉澤嘉代子 小保方」なのでそろそろなんとかしてあげてください。
■GRAND FAMILY ORCHESTRA『BACK TO THE ROCK’N ROLL』
はっきり言ってドマイナーなバンドだ。白状するとBASEMENT TIMESの記事を読むまでは存在すら知らなかった。が、そこで紹介されていた『ラバーソウル』のPVを観て、一発で落ちた。
新しいバンドではあるが、ボーカルは元BYEE the ROUNDだし、いろんなところから実力派っぽい人たちが集まっているようなので(ごめんハヌマーンとかはよく知らん)、1stアルバムかつ全7曲というコンパクトな構成ながらも、一気に引き込んでくる力がある。
うねうねと絡み合うトリプルギター、BYEE the ROUNDの頃よりもなんとなく艶っぽく感じるボーカル、そして何より音から漏れ出る楽し気な雰囲気。うん、これは確かに「ファミリー」で「オーケストラ」だ。こいつらはロックを楽しんでいる。
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